親族内承継,従業員承継 事業承継と経営の安定化
公開日: 2017/11/06
事業承継と相続はとかく混同されがちにあります。
税金にかかわることですから、その興味からイメージが
先行するから仕方ないと言わざるを得ません。
しかし、相続はあくまでも事業承継の一部でしかなりません。
その話は後日。
今回は相続にも関係する株式の問題。
中小企業においては所有と経営は一致していることが多いです。
所有とは株式の所有。経営は会社経営。
上場会社などでは所有と経営は分離(完全に分離しているわけではありませんが)
しています。
中小企業の事業承継では後継者に株式を集中させることがセオリーとされます。
これは、経営の安定化を図るためです。
創業社長が100%の株式が所有されても、後継者が身内であろうが
従業員等であろうが、法定相続になると株式は配偶者、子供たちに分散して
しまいます。
万が一、身内で相続問題でもめているとなると、会社の所有は不安定となり
ひいては経営権として経営の不安定にまでつながることになります。
株主は株主総会にて権利行使をすることができます。
経営者は株主総会により選任されるわけですから、もめごとのある一族で
経営者の選任に異論が出た場合、経営が不安定になることは想像がつくのでは
ないでしょうか。
センターの相談だけでなく、株式をいろんな方に持たせようというお考えの方が
おられます。
しかし、金銭、財産に絡む問題でもあります。
個人的感情が会社経営の安定性にも影響を及ぼすことになりますので、
中小企業においては所有と経営は極力一致させた方が望ましいと考えます。